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こっち先に読めば?→① 

 

 

楽しい高校生活は終わりを迎え、受験勉強に勤しんでいた僕だったが、根が不真面目でめんどくさがりだったため、案の定浪人することとなった。

 

浪人時代は僕にとって大切な思い出の一つだが、ここでは割愛する。

ひとつだけエピソードをあげるとすれば、クリスマスの夜は男3人でカラオケに行っていた。まぁそんな感じだ。

 

第一志望の国立大学にはいけなかったけれど、とある私立大学の希望していた学部に入ることができた。

 

親は相当に喜んでくれたし、自分としても大いに満足のいく結果だった。

 

大学に入った僕は息巻いていた。

 

別に髪を染めて慣れないお洒落をして大学デビューを目論んだわけではないけれど、漠然と新たな女の子との出会いを予感していた。

 

そして僕は、趣味が高じてとある合奏サークルへ入った。

 

決め手は女子の先輩方にいい人が多かったことと、初日に何となく話して友達になったやつが興味を示したことだった。

 

「どんな大学生活が始まるんだろう…!」

 

期待と不安が入り混じった独特の緊張に戸惑いながら、僕の大学生活は、人並みのそれと同じように始まったのだった。

 

 

思い描いていたことは何一つ起きなかった。

 

僕には彼女を作るモテスキルもなければ、クラスのリア充集団に入るポテンシャルもなかった。

 

なんとなーく分かっていたけど、現実は厳しいものだ。

新入生歓迎の意味合いで一泊二日の合宿が学部ごとに行われるのだけど、クラスのやつらとはまったく馬が合わなかった。

 

なんというか、イケてる集団を取り巻くキョロ充と、なんとなくその相手をしているリア充とのやりとりが非常にうすら寒く見えた。

 

でも、僕にはリア充同士のつるみ方もあまり楽しそうには見えなかった。

楽しそうにしてるな、とは思ったけれど。

こういう斜に構えた感性がダメなんだろなーとは思いつつ、クラスではぼっちではないものの、非常に少ない友達と細々と交流を続け、可もなく不可もない大学生活を送っていた。

 

そして1年後(ぇ

 

僕はサークルの男メンツと毎日部室でゲームばかりしているような、自堕落な文系大学生に成り果てていた。

 

スマブラマリオカートにどれだけの時間を費やしたのかは、知る由もない…。

 

しばらく過ごして分かったのだが、サークルの男子には近い気質を感じていた。

 

授業をさぼって誰かがいないかと部室にやってくるアホどものスタンスは嫌いじゃなかった。僕も同じく足繁く部室に通い、親には言えないけれど、それなりに楽しく日々を過ごしていた。

 

彼らとはサークルの練習後、必ずと言っていいほどメシに出かけ、今後の僕らについての話をするのだった。

 

「後輩のあの子、お前狙ってるだろう」「あの先輩かわいいよなーー」「俺らの代かわいい子いなくね?詰んでね?」「どうしたらみんな彼女ができて平和な世界が訪れるのだろう…」

 

そんな下らない話ばかりしていた。

僕らにとって致命的だったのは「同期に良い子がおらへん」という事実だった。

 

サークルに入った当初は素敵な先輩方に淡い恋心を抱いていたが、人気のありそうな先輩には全て、サークル内やらなんやらで彼氏がいた。(奪い取るとかいう発想は出るわけない)

 

1個下の後輩は、僕らの1個上の代の先輩たちがあまり積極的でなく、数が全然入らなかったし、これは!と感ずる子もいるにはいたが、お堅い感じでとても手が出せるもんではなかった。

 

同期はまぁなんというか、色々事故った結果か知らんけども、どっから集めてきたこのミュータントタートルズ&モンスターズインクって感じだった。

 

もちろん自分たちのことは棚に上げているのだ。棚に上げないと言えないこともたくさんあるでしょう?

 

そんな折、こじれ男子たちの間にに一つの噂というか、何やら不穏な空気が感じられる出来事が持ちあがってきた。

 

それは、1個上の先輩でお世辞抜きでモデルの様に綺麗な先輩がいたのだが、その人が僕らの代の男子複数に、急にメールを送ってきている、というものだった。

 

僕「みんな驚け。最近さ、あの先輩からメールくんだよ!んで結構内容がフレンドリーな感じなのよ」

 

A男「え、マジで…。俺も最近来るんだよね…。」

 

B男「実は俺も来るんだけど…。え、何これ笑」

 

本当に、みんなにメールが来ていた。

内容もまったく同じというようなことはなかった。

 

これは何事だと色めき立つこじれ男子ども…。